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まとめ byゆこ

宝井理人先生著BL漫画「テンカウント」に夢中です。ネタバレを含みます。感想など。

w10count SECRET PARTY<ノベルゲーム③忘れ物>

オリジナルノベルゲーム映像

③忘れ物(3/22~3/27)

・テキスト途中のハートマーク❤︎は画面右上に出ているハートマークです。
(黒瀬くんの親愛度?) 

・紫色の()の文字はテキスト本文ではなく、説明を加えました。

※以下ネタバレ注意!!!!※

 

 

 

 

陸が如く10〜城谷さんは?〜
count.03 忘れ物

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⚫︎ オフィス ⚫︎

上着のポケットに入れていたスマートフォンが震えた。
画面を見ると黒瀬くんからのメールだった。
そっと、デスクの下で確認をする。
黒瀬『この間忘れて行ったペン、近くに来たついでに持って
来ました。下のエントランスにいるんですが、来られますか?』 

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城谷「っ…」
倉本「城谷くん、どうしたんだい?」
城谷「あっ、いえ……。あの、知人から
近くまで来ていると連絡があって…」
倉本「あぁ、それなら行ってきなさい。ちょうどお昼だし」
城谷「えっと、でも…」
倉本「待っているんじゃないのかい?ほら早く」
城谷「は、はい。ありがとうございます」

⚫︎ 社内 ⚫︎

エントランスへ向かう足が、思わず早歩きになってしまう。
お昼休みとあって、廊下には人影も多い
女性社員たち「あれ、城谷さん?あんなに慌ててるの初めて見た」
女性社員たち「本当だ、何かあったのかな」
城谷「っ…」
ここは社内なんだから、落ち着かないと……。

 

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▷いつも通りゆっくりスマートに歩く
▶︎やっぱり早歩き
▷全力のスキップ!!

 

❤︎♡♡

……黒瀬くんを待たせているんだし、やっぱり急がないと。
(何でこの会社はこんなに広いんだ)
俺はさらにスピードを上げた。
少し忙しくて次の約束が出来ていなかったから、
このタイミングで会えるとは思わなかった。
女性社員たち「ねぇ、さっきエントランスにいた人格好良かったよね」
女性社員たち「うんうん、会社員っぽくなかったけど、
何の用事で来てたのかなー、気になる!」
きっと黒瀬くんの事だ……。
通りすがりの女性社員でも、そんな風に思うのか……。

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なんだろう、胸がもやもやする。

 

⚫︎ エントランス ⚫︎
黒瀬「あ、城谷さん」
城谷「すみません、お待たせしました」
黒瀬くんの前に小走りで駆け寄る。
少し息が切れてしまって、大きく息を吸った。
そんな俺を、黒瀬くんが無表情でじっと見つめる。
黒瀬「いえ、突然来てしまってすみません」
黒瀬「お気に入りのペンってないと地味にストレスかと思ったので、
早く渡せた方がいいかと」
城谷「ありがとうございます。わざわざすみません」
黒瀬「いえ、本当に近くに用事があったんです」
城谷「そうですか……」
なんだかものすごく周囲の視線を感じる。
通り過ぎる女性たちがみんなこっちを見ているような………。
黒瀬「城谷さん。……城谷さん?」
城谷「あ、はいっ」
黒瀬「どうしたんですか?なにか気になる事でも?あ、ペンは
大事に持ってきたつもりですけど、後で消毒なり…」
城谷「そうじゃ…なくて……」
そういえば、受け取ったペンが汚いかもとか、考えなかった。
それよりも、
黒瀬くんがみんなに見られている方が気になって……。
城谷「黒瀬くん」
黒瀬「はい」
城谷「あの その(考えている様子) す、少し前に流行った
お笑い芸人のネタって、どんなでしたっけ!」
黒瀬「え……お笑い…芸人?」
城谷「はい、男の人で」
黒瀬「これ……ですか?」
黒瀬くんが、大きな動きで芸人のネタを真似する。   (※左右に素早く動く黒瀬くん)
誰が見てもその芸人のネタだと分かる動きに、
通り過ぎた人がぎょっとした顔で黒瀬くんを見た。

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おかしい…!!すごく変な格好をしてるのに、
格好悪くない……だと…!?

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▷このくらいでやめておこう
▶︎いやまだまだだ!!
▷自分も黒瀬くんに負けていられない!!

 

❤︎❤︎

城谷「……それじゃなくて」
黒瀬「うーん、じゃあ、これですか?」
黒瀬くんが別のネタをする。
数年前に流行った、一発ネタだ。
無表情で、ものすごく大胆な動きをする。

(※上下に素早く動く黒瀬くん)
それはもう目を奪われるほど大胆だ。
今度は横を通った女性が、振り返って黒瀬くんを見ていた。
でもその視線はどこか好意的に見える

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城谷「………全然…っ格好悪くない!」
黒瀬「え、なんですか?」
城谷「なんでもないです。そのネタは古すぎませんか?」
黒瀬「あ、やっぱりそうですか?
俺あまり最近のテレビ詳しくないんですよね」
城谷「俺もです……」
なんでこんな事を黒瀬くんにさせているんだろう。
格好悪いところを他の人に見せてどうしようと……。
さっきから、もやもやして変だ。
黒瀬くんはすごく変なポーズも無表情で思い切りやるから、
逆に全然恥ずかしくないし、格好悪くないんだ。
黒瀬「城谷さん」
城谷「はい」
黒瀬「気が済みました?」
城谷「あ………」
かーっと顔が熱くなるのが分かる。
黒瀬「もっといろんなネタやりましょうか?」

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城谷「もう…いいです。黒瀬くんは、どんな時も、何をやっても
か、格好いいから」

❤︎❤︎❤︎

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黒瀬「そんな事を言うのは、城谷さんだけだと思いますよ」
城谷「絶対にそんなことないです」
黒瀬「そうですよ。何のゲームか知らないけど、
俺の格好悪い所が見たいなら、他の方法でも……」
城谷「……どんな?」
黒瀬「それは……城谷さんが、色々試してみてください」
試して無理だったんだけど……。
黒瀬「あ、そうだ、お昼の時間じゃないですか?
ランチ一緒にどうですか」
顔の熱さが戻らないまま、黒瀬くんを見返す。
涼しい表情で俺を見る黒瀬くんは、
やっぱり何を考えているのかよく分からない。
それでも俺は今の自分の気持ちに素直になって、頷いた。

 

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